米投資会社KKRの実物資産責任者ラジ・アグラワル氏は、データセンターや人工知能(AI)分野に過度の熱狂が見られるとして懸念を表明。同社がリスク軽減のため投資対象を慎重に選別していることを明らかにした。

アグラワル氏はニューヨークにあるKKR本社でのインタビューで、「そうした投資の中には、一部うまくいかないものも出てくる可能性が高い。これだけ多くの資金がこれほど速く動いている状況では、それが現実というものだ」と述べた。

KKRはバージニア州などいわゆる「ティア1」の地域にあるデータセンターに注力しており、資産に対して100%の損害保険を確保できるよう努めていると、アグラワル氏は述べた。またAIモデルの学習や開発用途にとどまらず、エンドユーザー向けの利用を支えるデータセンターにも投資していると説明。さらに、特定の顧客に過度にカスタマイズされず、再利用が可能な施設の建設にも注力しているという。

KKRは1860億ドル(約29兆円)規模の実物資産事業において、デジタルインフラを主要な成長分野と位置付けている。同社は現在、米サイラスワンのほか、中東とアジアで2社ずつ、計5つのデータセンター企業に出資している。

KKRがハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)に打ち出している提案では、土地や電力の確保からデータセンター建設、コネクティビティーに至るまで、プロセス全体を管理する「オールインワン」型のソリューションを重視している。9月にはアマゾン・ウェブ・サービスで最高経営責任者(CEO)を務めたアダム・セレプスキー氏を上級顧問として採用し、この取り組みを強化した。

アグラワル氏は「ハイパースケーラーが求めているのは単なる開発業者ではない。電力網、メガワット単位の供給、土地、建設まで一手に引き受けられるパートナーだ」とし、「われわれはそのための体制を整えている」と語った。

KKRは今年に入り、エナジー・キャピタル・パートナーズとの提携の一環として、テキサス州ボスキー郡で特定のハイパースケーラー向けデータセンターをサイラスワンが建設する契約を締結。またエナジー・キャピタルおよびカルパインと協力し、データセンターに隣接する発電所を建設するプロジェクトも進めている。

こうしたブームの中、独立系発電事業者は利益の17、18倍という水準で買収されており、これは過去のプレミアムの約2倍に相当すると、アグラワル氏は指摘。高い需要と成長期待が背景にあるという。

「資産がその成長ポテンシャルを実現できなければ問題が生じ得る」とアグラワル氏。「成長マルチプル(評価倍率)を支払うことと、成長が自動的に実現すると想定することは別だ。規律を持つ必要がある」と述べた。

原題:KKR’s Raj Agrawal Warns of Froth in AI Investment Stampede(抜粋)

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