スイスの富裕層向け資産運用会社ジュリアス・ベア・グループは2025年通期で減益になると予想した。過去の問題事業の清算に取り組む中で、不動産融資について1億5000万スイス・フラン(約291億円)の貸倒引当金を計上したことが響くという。

24日発表された暫定報告によると、1-10月に富裕層顧客の資金は117億フランの純流入で、流入額は前年を上回る。運用資産残高は同期間に4%増えて5200億フランとなった。

ジュリアス・ベアは2年前、オーストリアの実業家レネ・ベンコ氏が創業したシグナ・グループ向けの融資で巨額の損失を被り、経営陣を刷新。これを受けて就任したステファン・ボリンジャー最高経営責任者(CEO)とノエル・クイン会長は、事業の立て直しを図っている。この融資については、スイス連邦金融市場監督機構(Finma)の調査も進む。

同行は、5月に発表したクレジットポートフォリオの検証を完了したとも報告。住宅用・商業用不動産を中心に7億フラン相当の「融資ポートフォリオを縮小する」ことを決定したと明らかにした。

24日のチューリヒ市場で、ジュリアス・ベアの株価は一時6%近く下落。欧州の銀行株の中で、年初来で最も下落率が大きい銘柄の一つとなっている。

 

原題:Julius Baer Warns on Profit After $186 Million Loan Charge (3)(抜粋)

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