(ブルームバーグ):世界最大の鉱山会社BHPグループは、英アングロ・アメリカンへの新たな買収提案を撤回した。アングロとカナダのテック・リソーシズの統合計画阻止に向けた予想外で短期間の試みは幕を閉じた。
BHPは24日、アングロと予備的協議を行ったことを認めたものの、現在は「両社の統合をもはや検討していない」と明らかにした。
ブルームバーグ・ニュースは23日、BHPがここ数日間に新たな接触を図ったと報じた。同社は昨年もアングロ買収を提案したが、失敗に終わっていた。
事情に詳しい複数の関係者によると、アングロは新たな提案について、内容を精査した上で、カナダのテックとの合併計画に勝るものではないと判断し、拒否したという。関係者は、非公開の協議だとして匿名を条件に語った。

24日のシドニー市場で、BHP株は一時1.3%高を付けたが、その後上げ幅を縮小している。
BHPが前回のアングロ買収案を撤回して以来、BHP株が豪市場で下落する一方、アングロ株はロンドン市場で11%上昇している。テックとの統合計画はアングロ株主から広範な支持を得ている。

BHPは24日の当局への届け出で、「アングロとの統合には強力な戦略的メリットがあり、全株主に大きな価値をもたらすと引き続き確信しているが、自社の有機的成長戦略の極めて魅力的な可能性にも自信を持っている」と指摘。提案の詳細には言及しなかった。
アングロはコメントを控えた。テックとアングロの株主は、12月9日に統合案の採決を行う予定。合併の実現には、中国、米国、カナダなど各国の規制当局による承認も必要となる。
原題:BHP Walks Away From Anglo Again After New Approach Founders (3)(抜粋)
--取材協力:Jacob Lorinc、Paul-Alain Hunt.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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