(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのミュラー・エストニア中銀総裁は、ユーロ圏のインフレ圧力についてそれほど懸念していない姿勢を示し、追加の金利調整に慎重な構えを見せた。
ミュラー氏は21日、ウィーンでのイベントで、「市場での予想やわれわれの見通しを踏まえると、今後もインフレ率が2%に十分近い水準で推移する可能性が高いように思われる」と述べ、金融政策は「現時点では、景気循環およびインフレ見通しと整合している」と語った。
そのうえで同氏は、政策当局者は「常に警戒を怠ってはならない。何が起きるかは分からない」とも述べた。
また、同じイベントに出席していたECB政策委メンバーのコッハー・オーストリア中銀総裁は「われわれは絶えず警戒という言葉を口にしており、それが中身のない言葉のように聞こえるかもしれない。だが、決してそうではない」と述べ、労働市場やエネルギー転換などの構造的な変化が、インフレとデフレのいずれにも影響を及ぼす可能性があると指摘した。
コッハー氏は「今こそ警戒し、情勢を見極める時だ」と語り、「現時点では、金融政策の面では良好な状況にあるように見える」と述べた。
原題:ECB’s Muller Sees Inflation Near 2% for Foreseeable Future
(抜粋)
--取材協力:Agnieszka Barteczko、Andras Gergely.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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