米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン副議長は、人工知能(AI)の台頭と1990年代後半のドットコムブームとの間には明確な違いがあるとの見方を示した。

ジェファーソン氏は21日にクリーブランド連銀で開催されたイベントで、「現在の市場でAIテクノロジーと最も密接に関連している企業の多くは、総じて既に確立した収益基盤を持ち、成長を続けている」と発言。

一方で、1990年代終盤から2000年代のドットコム企業の多くは「実際の利益がほとんどないか全くなく、投機的な収益見通ししか持たなかった。それにもかかわらず、投資家の熱狂の中で比較的容易に外部資金を調達し、株式市場に上場していた」と述べた。発言は講演原稿に基づく。

また、株価収益率(PER)で見たAI関連企業のバリュエーションは今のところ、ドットコム企業のピーク時の水準を「大きく下回っている」と付け加えた。

ジェファーソン氏はさらに、「1990年代終盤から2000年代初頭にかけてのドットコム企業乱立は、現在の市場で見られるよりも選別意識の乏しい熱狂を示していた」とも指摘。

ドットコムブームの最盛期には、ドットコム企業として上場していた企業が1000社を超えていたのに対し、現在は上場しているAI関連企業は50社程度にとどまっていると説明した。

その上で、AIの台頭がFRBの金融政策決定にどのような影響を及ぼすのかについては「判断するには時期尚早だ」との見解を示した。

金融システムは依然として健全で強靱(きょうじん)性を保っているとも語った。

原題:Fed’s Jefferson Sees Contrasts Between AI Rise and Dot-Com Boom(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.