(ブルームバーグ):原子力規制庁は20日、東京電力ホールディングス本社と柏崎刈羽原子力発電所で、核物防護に関する秘密文書の管理不備が判明したと公表した。さらなる事実確認のため継続して検査中としている。現時点までの検査では、社外への漏えいは確認されていない。
規制庁によると、東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発で、秘密文書を担当社員が必要な手続きをとらずに持ち出した上でコピーしていたことを、今年6月の検査で同原発関係者からの報告を受けて認知した。当該社員は鍵のかかる個人の机で保管していたという。
規制庁の指摘を受けて、東電HDの広報担当者は、「セキュリティについては、組織全体として確実に機能させる必要がある」とし、「取り組みが一過性にならないよう、CAP(改善措置プログラム)活動を推進し、足らざるところがあれば、さらに改善する」とコメントした。
また、これとは別に規制庁の検査では、必要な手続きを経ずに複製された秘密文書を警備委託業者が管理していたケースも見つかった。東電HDは、情報管理教育の充実、秘密情報にアクセスする際は2人ルール化、複写防止用紙による秘密情報の管理を含む再発防止策を発表した。
東電HDは6号機について再稼働に向け技術的な準備を進め、10月末に原子炉の起動に必要な主要設備の機能を十分に発揮できることを確認したと発表。再稼働に向けて、地元自治体の同意に注目が集まっており、19日には立地する柏崎市の桜井雅浩市長が理解を表明。21日には新潟県の花角英世知事が容認を表明すると報じられていた。
再稼働を目指す柏崎刈羽原発6号機と7号機は、原子力規制委員会が17年に安全基準適合を認めたものの、セキュリティー上の不備が相次いだことなどで事実上再稼働ができなくなった経緯がある。この運転禁止命令措置は23年に解除された。
そのほか、規制庁の公表によると、東北電力の東通原子力発電所では、防護設備の性能検査と保守点検を実施していないにもかかわらず、検査記録などを不正に作成していた。
(第3段落を追加、第4段落に加筆しました)
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