(ブルームバーグ):米資産運用大手ブラックロックが運用するプライベートクレジットローンのポートフォリオの一つについて、パフォーマンスが著しく悪化し、運用手数料の一部放棄につながった。信用市場では極めて異例だ。
このポートフォリオはローン担保証券(CLO)を発行して資金調達しており、定期的に一連のパフォーマンステストを通過する必要がある。基準を下回った場合の一例を挙げると、ブラックロックはリスクの高いトランシュから、一段と安全な上位トランシュに利息収入を自動的に振り向けるなど、是正措置を講じることになる。
10月にはポートフォリオの価値が低下し、超過担保テスト(OCテスト)の基準を下回った。これは、最上位格付けのトランシュに対してローン資産の価値が不足したことを意味する。
事情に詳しい関係者によると、今回の措置には最もリスクの高いトランシュからのキャッシュを含んでおり、この対応によって10月のテスト抵触が是正された。関係者は非公開情報を理由に匿名で話した。
ブラックロックの担当者はコメントを控えた。
CLOの上位トランシェでOCテストに不合格となるのは異例だ。CLOは自己修正機能を備えていることから、長年にわたり高い耐性を誇ってきた。ブラックロックのCLO保有者が実際に損失を被る可能性はないかもしれない。だが、このポートフォリオの不振は、近年急拡大してきたものの、このところ脆弱(ぜいじゃく)さの兆候が見られるプライベートクレジット市場全体の先行きに疑問を投げかけている。
最新の動きとしては、オルタナティブ投資会社ブルー・アウル・キャピタルが19日、二つのプライベートクレジット・ファンドの合併計画を中止したことが挙げられる。合併に伴い投資家に損失が生じる可能性について懸念が強まり、同社株が急落したことが背景にある。
問題ローン
問題となっているブラックロックのCLOは「ブラックロック・ベーカーCLO 2021-1」で、多くの経営難企業へのローンを含んでいる。
ブラックロックのCLOでシニア債がOCテストに不合格となるのは今回が初めてではない。ブルームバーグの集計データによると、この高格付け債は昨年10月にもOCテストに抵触しており、その後も数回にわたり基準を回復したり再び下回ったりを繰り返している。
一方、最もリスクの高いトランシュは2024年4月以降、OCテストをクリアできておらず、S&Pグローバル・レーティングは同年12月、「基礎ポートフォリオの信用品質の悪化」を理由に、このCLOのジュニアD・Eトランシェを格下げした。
このCLOの苦境が、信用市場における一段と深刻な問題を象徴しているかどうかはなお見極めが必要だ。信用市場では、サブプライム(信用力の低い個人向け)自動車ローン会社トライカラー・ホールディングスや自動車部品メーカーのファースト・ブランズ・グループなどの経営破綻が相次ぎ、動揺が広がっている。
原題:BlackRock Private Credit CLO Fails Key Tests as Bad Loans Mount(抜粋)
--取材協力:Scott Carpenter、Dan Wilchins.
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