(ブルームバーグ):外国勢の米国債保有額は9月にわずかに減少した。英国が保有を減らす一方、日本の保有額は約3年ぶりの高水準となった。
海外投資家の米国債保有総額は9月時点で9兆2500億ドル(約1439兆円)。8月は9兆2600億ドルと過去最高だった。保有額は売買動向に加え、評価額の変動にも影響を受ける。ブルームバーグ米国債指数は8、9両月、いずれも上昇した。
米財務省は18日、連邦政府の一時閉鎖によって遅れていた公表スケジュールを調整し、8月および9月分のデータを同時に発表した。
米国債保有データは今年、トランプ大統領の通商・外交政策が米国に対する海外投資家の信頼を揺るがせているとの懸念から、特に注目を集めている。一部のアナリストは、金価格の高騰をドル離れの兆候として指摘している。
ベッセント財務長官はこうした「米国売り」懸念を繰り返し否定。FOXビジネスとの10月23日のインタビューで「最近、海外からの非常に強い関心が見られる」と説明し、「米国債の入札は過去にないほど堅調で、特に海外の買い手」が顕著だと語っていた。
外国勢として米国債保有額1位の日本は、89億ドル増え1兆1900億ドルと、2022年8月以来の高水準を記録した。
ステート・ストリートのストラテジスト、リー・フェリッジ氏は「最も目を引くのは日本だ」と述べ、「この米国債買いが円安の一因となっている可能性があり、国内金利が上昇しているにもかかわらず日本の投資家が日本国債への投資をためらっている兆しかもしれない」と分析した。
円はここ数カ月で対ドルで下落し、G10通貨の中で今年最もパフォーマンスが悪い通貨となっている。
米国債保有2位の英国は、393億ドル減の8650億ドル。3位の中国は、5億ドル減の7005億ドルとなった。一方、中国の委託勘定が含まれているとされるベルギーの保有額は125億ドル増の4668億ドル。
バンク・オブ・アメリカのストラテジスト、アレックス・コーエン氏は、「海外投資家が米国資産から離れている兆候は依然として見られない。米国は引き続き魅力的な投資先だ」と話した。
原題:Foreign Holdings of US Treasuries Near Record High in September(抜粋)
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