(ブルームバーグ):米鉱業・建設機械大手キャタピラーは、人工知能(AI)ブームで勝ち組になるとは考えられていなかった。主力事業は、黄色いブルドーザーなど米国の産業を支えてきた建設重機の販売だ。
だが小規模の発電機事業で、AIサーバーを備える大規模データセンターの建設業者からの受注が急増。投資家の間で株価上昇への期待が膨らんだ。
しかし、モルガン・スタンレーのアナリスト、エンジェル・カスティーヨ氏は、それは楽観的過ぎるとみている。ブルームバーグが集計したデータによると、キャタピラーを調査するアナリスト27人のうち、同氏だけが弱気の見通しを示す。
キャタピラー株は年初来で51%上昇し、今後1年間の利益予想に基づく株価収益率(PER)は現時点で25倍に達している。市場では、同社の建設機械事業が低迷から急回復すると想定されているが、カスティーヨ氏は、非住宅建設支出で落ち込みが続く現状では、その見通しは現実的でないと指摘する。

同氏は、市場では発電機事業が「非常に好調で、景気循環によるリスクをすべて打ち消し、より安定した事業になると考えられている」と述べた上で、「堅調に推移するだろうが、他の多くの要因を相殺ほどではないと懸念している」と話した。
7-9月(第3四半期)に発電機事業が同社全体の売上高176億4000万ドル(約2兆7400億円)に占める割合は15%だった。前年同期比で31%増と好調だったが、建設機械事業の売上高67億6000万ドルに比べると依然として規模は小さい。
カスティーヨ氏はキャタピラーの投資判断を「アンダーウエート」とし、目標株価を380ドルと、現在の株価を約30%下回る水準に設定している。
原題:Caterpillar’s Lone Bear Says Machinery Maker Is No AI Darling(抜粋)
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