日本生命保険は18日、金融機関への出向者が不正に出向先の情報を持ち出していた問題を受け、朝日智司社長や清水博会長らが報酬の一部を自主返納する意向であることを明らかにした。

経団連会長を務めている特別顧問の筒井義信前会長も同様に報酬の一部を自主返納するという。具体的な金額については公表しない

同日、完全子会社のニッセイ・ウェルス生命保険から販売代理店である金融機関に出向していた社員が出向先の内部情報を持ち出していたケースが943件あったとの調査結果を発表した。日本生命本体からの出向者による情報の持ち出しを含めると合計で1543件に上る。

ニッセイ・ウェルス生命の発表によると、2019年4月から25年4月にかけて、出向先の2つの金融機関から個人向け金融商品の販売方針や生命保険商品の販売実績などの情報をスマートフォンで撮影するなどして持ち出した。自社の営業推進に活用する目的で、出向先の許可なく、自社の営業部門の担当者に提供していた。

同担当者は金融機関本部担当者の求めに応じて、情報取得を行っていた。一部情報は部門内の会議で伝達したり、資料に記載したりしていたという。

こうした行為は不正競争防止法における営業秘密保護などの趣旨に照らして、適切ではなかったとしている。記者会見した日本生命の柏原宏治執行役員によると、ニッセイ・ウェルス生命が内部情報を取得していた943件のうち102件を日本生命の金融法人部門の担当者が受領していた。

日本生命は9月、社員が出向先の銀行から保険販売に関する内部情報を無断で持ち出すなどの不適切事案が19年5月から25年2月の間に7つの金融機関で計604件あったことが調査で判明したと発表。ニッセイ・ウェルス生命も同月、情報持ち出しの事実を公表し、調査を進めていた。

きょうの会見で、一部重複があったとして日本生命での情報持ち出しは従来の604件から600件だったと修正した。

日本生命は出向者らに対して事案に応じた処分を実施、金融法人業務部の担当役員や部長クラスについては処分レベルを引き上げ減給処分とした。ニッセイ・ウェルス生命は、関係者を社内規定に基づき処分し、役員は減給を伴う処分を科した。

第一生命保険でも出向先の金融機関から営業関連の内部情報を無断で持ち出し、グループ内で共有していたことが明らかになっている。第一生命ホールディングスの甲斐章文執行役員は今月14日の決算会見で「十分な説明責任を果たすためにも過去の調査の精査や再調査を実施している状況」と述べていた。

(記者会見の内容を加えるなどして記事を更新します)

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