(ブルームバーグ):米上院商業科学運輸委員会は、違法賭博スキャンダルに揺れる大リーグ(MLB)を巡る調査を開始した。
同委員会のクルーズ委員長(共和党)と民主党トップのカントウェル議員は、17日に公表された共同書簡で、プロ野球および米スポーツ界は「新たな公正性の危機に直面している」と指摘した。
クリーブランド・ガーディアンズのエマニュエル・クラセ、ルイス・オルティス両投手は今月に入り、試合中の投球を利用した違法賭博に関与したとして米検察当局に起訴された。両選手はいずれも無罪を主張している。
委員会は先月、米プロバスケットボールNBAの選手・コーチが違法賭博に関与したとして起訴されたことを受け、バスケ界に焦点を絞った調査を開始。今後は、スポーツ界全体の不正に調査対象を拡大していく構えだ。
クルーズ、カントウェル両氏はロブ・マンフレッドMLBコミッショナー宛ての書簡で、「複数のリーグで不正操作が表面化したことは、より深刻かつ構造的な脆弱(ぜいじゃく)性の存在を示唆している」との認識を示した。
委員会はマンフレッド氏に対し、2人の投手による試合操作疑惑や不審な賭けをMLBがいつどのように把握したのか、またここ数年間の不正賭博や八百長に関する調査状況について、12月5日までに情報・資料を提出するよう求めた。
MLBはこれまでに、調査の初期段階から連邦法執行当局と連絡を取っており、「プロセス全体を通じて全面的に協力している」と説明していた。両投手は7月以降、懲戒処分ではない有給の休職扱いとなっている。
原題:Senate Panel Launches Probe of Gambling in Major League Baseball(抜粋)
--取材協力:Steven T. Dennis.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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