(ブルームバーグ):グーグル傘下のDeepMind(ディープマインド)は、従来モデルを上回る速度と精度を備えた新たな人工知能(AI)気象モデルを発表した。エネルギー取引業者向けの分析ツールも新たに搭載している。
DeepMindの研究チームによると、新モデル「WeatherNext 2(ウェザーネクスト2)」は気温や気圧、風速の2週間予報をより高い精度で示せるほか、熱帯性低気圧の進路予測能力も向上した。テストの結果、ハリケーンの進路を3日前に予測した場合でも、従来手法の2日前予測と同程度の精度に達したという。
新たな気象モデルには、エネルギー取引業者が求めてきた機能も盛り込まれた。予報の更新頻度を従来の12時間ごとから1時間ごとに高め、予測の生成速度は従来モデルの約8倍に向上した。
DeepMindのAI研究者アキブ・ウディン氏は「より詳細な予報が可能になった」とし、「多くの産業が1時間単位の予測に関心を寄せている。こうした情報は精緻な判断を促し、天候変動に強い事業運営につながる」と語った。
英ロンドンに拠点を置く同社は、先進的な気象予測技術の開発で注目されている。研究の成果は、収益機会の拡大を狙うエネルギー・農業関連企業のほか、海運会社や保険業界など、天候の影響を受けやすい事業者からも関心を集めている。
原題:DeepMind’s Latest AI Weather Model Targets Energy Traders(抜粋)
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