マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。

失業率なしで

米国家経済会議(NEC)のハセット委員長は、政府閉鎖の影響で公表が遅れていた10月の雇用統計について、失業率なしで発表されると明らかにした。「10月は家計調査が実施されなかったため、雇用統計の半分しか得られない。雇用者数は公表されるが、失業率は公表されない。これは1カ月だけの措置だ」とFoxニュースで述べた。9月分は来週公表される可能性があるという。9月分のデータ収集は政府閉鎖が始まった10月1日までに完了していた。雇用統計は雇用者数の算出に用いられる企業対象の事業所調査と、失業率の算出に用いられる一般世帯を対象とした家計調査で構成される。

インフレ警戒根強く

米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は12月のFOMC会合で利下げを実施すべきかを判断するには、時期尚早だと語った。会合までに多くの経済指標の発表があり、「柔軟な姿勢を保っている」と強調した。クリーブランド連銀のハマック総裁は労働市場に懸念を示しながらも、インフレを一段と抑制するために政策金利を据え置くべきだとの考えを表明。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「インフレ率はなお高過ぎ、3%ほどで推移している」と述べた。セントルイス連銀のムサレム総裁はインフレ率が当局目標の2%を上回る現状では、追加利下げには慎重に臨むべきだとの見解を示した。米金利デリバティブ市場で、12月の0.25ポイント利下げ確率は50%未満となっている。

登録抹消

「世紀の空売り」で有名なマイケル・バーリ氏率いるヘッジファンド会社サイオン・アセット・マネジメントが米証券取引委員会(SEC)への登録を抹消した。バーリ氏は「11月25日からは、もっといいことに取り組むつもりだ」とソーシャルメディアに投稿。運用資産残高が1億ドル(約154億円)を超える投資顧問は原則としてSECへの登録が義務付けられており、登録抹消はサイオンの閉鎖または外部資金を受け入れない体制への移行を示唆する。サイオンは今月、人工知能(AI)銘柄のエヌビディアおよびパランティア・テクノロジーズに対する弱気ポジションを開示。バーリ氏は市場の過熱に警鐘を鳴らしていた。

FRBに対応求める声

米短期金融市場で金利が高止まりしており、流動性の逼迫(ひっぱく)を和らげるため米連邦準備制度理事会(FRB)に対して強力な対応を求める声が高まっている。バンク・オブ・アメリカ(BofA)やSMBC日興証券、バークレイズなどの金融機関は、FRBが資金供給の拡大や証券購入といった措置を講じる必要があるかもしれないと指摘した。背景には、米財務短期証券(TB)の増発で資金が吸い上げられているほか、流動性を高めるはずの連邦支出が政府閉鎖で遅れたことがある。またFRBが進めるバランスシートの縮小も一因で、FRBが12月1日をもって米国債保有の縮小を停止すると発表した後も、逼迫は解消されていない。

大きな方針転換

米テスラがアップルの車載システム「カープレイ」への対応を進めていることが、事情に詳しい関係者の話で分かった。テスラは今後数カ月にカープレイ対応を導入する計画について協議しているという。カープレイの採用はアップルに批判的だったイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)にとって大きな方針転換となる。アップルが電気自動車(EV)開発に乗り出した際には、エンジニアを引き抜かれたとしてマスク氏は強い不満を示していたが、同社は2024年にEV開発を断念するなど状況は変化した。またテスラの販売も低迷しており、カープレイに対応していないとの理由から購入を見送る動きも出ていた。

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