三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は12日、米OpenAIと戦略的な協力に向けた契約を結んだと発表した。来年度に開業予定の新たなデジタルバンクに人工知能(AI)を使った提案サービスを組み込むなど、グループのAI活用を加速させる。

金融機関がAIを活用してサービスを高度化したり、業務を効率化したりする動きが相次いでいる。国内トップバンクのMUFGとAI分野で圧倒的な存在感を誇るオープンAIとの協業により、金融機関がAIを活用する動きはさらに進みそうだ。

MUFGのロゴ

今回の取り組みにより、MUFGは個人向けの総合金融サービス「エムット」にAIを組み込む。口座開設やサービスの申し込みをAIチャットなどでサポートする。MUFGのグループ各社が提供しているスマホアプリで、家計管理や資産運用の相談を対話型生成AI「ChatGPT」との対話の流れで自然に行える仕組みもつくる。

会見でMUFGの山本忠司執行役常務は「オープンAIと共にリテール領域で革新的な顧客体験の創出を目指す」と述べた。開業予定のデジタルバンクについては、「最終的には国内初のAIネーティブなデジタルバンクに進化させたい」とした。キャリア採用を積極的に展開し、社内のAI専門人材を2026年度中に350人以上に増強する方針も示した。

オープンAIジャパンの長崎忠雄社長は「AIが人の可能性を最大化する未来を日本から世界に発信するよう進めたい」と語った。

AI活用は他のメガバンクでも進む。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は米マイクロソフト・アジア社長を務めたアーメッド・ジャミール・マザーリ氏をアドバイザーに起用し、シンガポールに新会社を設立した。みずほFGもソフトバンクとAI領域で包括提携し、顧客向けに融資や経営のアドバイスを提供する他、みずほ自身の業務効率化を図る方針だ。

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