NTTデータグループはサウジアラビアでのデータセンター建設を検討している。人工知能(AI)に関連した新たな勢いを取り込み、収益につなげたい狙いがある。

NTTグループによる株式公開買い付け(TOB)で非公開化されたNTTデータグループは、ペルシャ湾岸諸国で事業拡大の機会を模索している。海外のIT事業を担うNTTデータインクのアビジット・ダビー最高経営責任者(CEO)が述べた。

NTTデータはすでに、巨大都市開発「NEOM(ネオム)」をはじめとするサウジの大型プロジェクトに携わっており、スタジアムなど主要インフラの開発にも関与していると、ダビー氏は指摘した。現時点では、データセンター建設に関して正式な決定は下していないという。

ダビー氏はリヤドでのインタビューで「サウジが短期間で達成しようとしている目標と、実際に同国内で確保できている能力との間には需給ギャップがある」と述べたうえで、「AI分野への関心が非常に高いことが、ここに来た理由だ」と語った。

同氏はAIとクラウドをサウジ発展の柱と位置付け、NTTデータでは中東予算のうち約70%を同国に充てていると述べた。

サウジアラビアはAIをはじめとするハイテク分野への注力を強めており、石油依存から脱却し、リヤドをテクノロジー・金融・投資の国際拠点に発展させることを目指している。今年には国家AI戦略を担う新会社ヒューメインを創立、データセンター向けに最先端の米国製半導体技術を確保しようとしている。

ヒューメインはサウジ政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)と国営石油会社サウジアラムコの出資を受けており、最近では米投資会社ブラックストーンとデータセンター建設で契約を結んだ。同分野ではブラックロックも投資参入を検討しているとブルームバーグが報じた。

NTTデータは非公開化により新規投資が容易かつ迅速になると期待している。サウジのハイテクブーム投資を検討している企業としては、英投資会社アクティスや米シリコンバレーのアプライド・インテュイションなどが先行している。

原題:NTT Data Eyes Saudi Data Center Buildout to Capture AI Momentum(抜粋)

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