(ブルームバーグ):米国家経済会議(NEC)のハセット委員長は、同国史上最長の政府閉鎖の影響により、10月に収集するはずだった経済データの一部は記録が取れない可能性があると指摘。米経済の健全性を包括的に把握することが困難になるとの認識を示した。
ハセット委員長は11日にCNBCで、「一部の調査は実際のところ完了しなかったと聞いている。従ってその月がどういった状況だったか、恐らくもはや知ることはできないだろう」と発言。
「データを扱う政府機関が再開されるまで、当面はやや視界が曇った状態で経済を見ることになる」と述べた。
労働統計局(BLS)や国勢調査局などの統計機関は、政府閉鎖によってデータ収集ができないでいる。その結果、手作業による収集に依存する統計が特に影響を受けている。
BLSが10月の消費者物価指数(CPI)を公表できなくなるリスクは高まっている。雇用統計の失業率を算出する家計調査についても、エコノミストの間から懸念の声が聞かれる。
政府機関が再開された後に、どの経済指標がいつ公表されるか、市場関係者は見極めようとしている。10月3日に発表予定だった9月雇用統計は、政府閉鎖が始まった10月1日より前にデータ収集が終わっていたことから早めにまとめられる見通しだ。
難しいのは、各統計機関がどの指標を優先するかだ。各機関は遅れが生じている統計の作業に取り組みながら、次の指標発表に向けた準備も進める必要があり、エコノミストや市場関係者は大量のデータが同時期に公表される事態に備えている。これら機関は閉鎖が始まる前から人員不足に悩まされていた。
ハセット委員長は政府閉鎖が42日目に入ったことを受け、経済に打撃が及ぶとの見方を示す一方、2026年の早い時期に経済成長が回復するとの見通しを示した。
「いくつかのものは決して戻ってこないが、そうでないものもある。来年第1四半期までには再び3-4%の成長ペースに戻るだろう」と述べた。
原題:Hassett Says Lost October Data Means ‘Cloudy’ Economic Outlook(抜粋)
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