トランプ米大統領は、外国人留学生の受け入れは「良いこと」だとした上で、留学生が減れば高等教育制度が財政面で壊滅的な打撃を受けるとして受け入れ制限に反対の姿勢を示した。

今回の発言は、トランプ政権が推し進めてきた留学生政策と食い違う。政権はこれまでに数千件の学生ビザを取り消し、親パレスチナ活動に関わった学生を逮捕し、留学ビザ申請の審査も厳格化してきた。

また政権は一部名門大学の外国人出願者の取り扱いやビザ規制への対応を厳しく追及してきた。ハーバード大は、政権から通告された留学生受け入れ資格停止措置を巡り提訴。連邦地裁はこの禁止措置を一時差し止める判断を下したが、米政府は控訴している。

トランプ氏は米FOXニュースで10日放送されたローラ・イングラム氏とのインタビューで、「世界中から来ている学生の半分を減らせば、米国の大学システム全体を崩壊させることになる。私はそんなことはしたくない」と発言。「海外から学生を受け入れるのは良いことだと思う。私は世界とうまくやっていきたい」と述べた。

イングラム氏は番組でトランプ氏に対し、米国で学ぶ留学生、特に中国からの学生の数を減らせば支持者は歓迎するだろうし、米国人が入学しやすくなるのになぜ反対するのかと繰り返し尋ねた。

トランプ氏は「確かに中国を含む多くの国から学生が来ている。米国は巨大な大学システムを抱えており、留学生を半減させれば、米国内の大学の半分は経営が立ち行かなくなるだろう」とした上で、「米国は留学生から何兆ドルもの収入を得ている。大半の国からの留学生は倍以上の授業料を払っている。私は米国の教育システムが繁栄してほしい。彼らを受け入れたいわけではないが、ビジネスとして見ている」と語った。

トランプ氏は今年に入って、中国人学生のビザ取り消しを始めると発表したが、その後、関税や輸出規制を巡る中国との「休戦」の一環として方針を撤回した。

原題:Trump Defends Foreign Students as ‘Good’ for US Universities(抜粋)

--取材協力:Liam Knox.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.