トランプ米大統領は10日、米政府閉鎖を終わらせるための超党派合意を支持すると表明した。これにより、政府機関が向こう数日以内に再開される可能性が高まった。

トランプ氏は記者団に対し「民主党の十分な支持を得ている」とし、政府機関を「非常に迅速に」再開させるとの見方を示した。

共和党のスーン上院院内総務は9日夜にトランプ氏と合意内容について協議したと述べ、議会が法案を可決し次第、大統領が署名するとの見方を示した。

上院は依然として時間を要する手続きを経る必要がある。下院議員も9月19日以来初めてワシントンに戻り、表決に臨む必要がある。

上院では10日、穏健派民主党議員との合意内容の審議が再開された。日程に詳しい関係者によると、ワシントン時間の同日午後5時(日本時間11日午前7時)ごろに新たな試験的表決を実施する見通しで、最終表決はその後に行われる可能性があるが、まだ予定は決まっていない。

共和党のジョンソン下院議長は、上院が法案を可決し次第、議会に戻るよう36時間前に議員らに通知すると述べた。

米議会上院は9日夜、連邦政府の閉鎖解除に向けた法案を前進させる手続き上の表決を実施し、可決した。穏健派の民主党議員の一部が同党指導部に反して支持に回った。

10日の米金融市場では、史上最長となった政府機関閉鎖に近く終止符が打たれるとの楽観から、株式やビットコインなどのリスク資産が買われた。リスクオンのムードが広がり、S&P500種株価指数が続伸したほか、円が対ドルで下落した。一方、投資家の関心が利下げ見通しに向かったことから米国債相場は下げ渋った。ブルームバーグ・ドル指数はもみ合った後に小幅低下した。

政府閉鎖が正式に解除されるまで、空の便の混乱や食料支援の遅延は続く見通しだ。共和党のポール上院議員が産業用大麻規制を巡る投票を求めて手続きを阻んでいるほか、他の議員らは将来の政府閉鎖時に議員報酬を停止する措置の採決を求めており、こうした状況を踏まえると、政府再開は週末にかけてとなる可能性が高い。

それでも共和党は今回の政府閉鎖問題で勝利を誇示している。ジョンソン下院議長は、41日目を迎えた政府閉鎖の「悪夢」がようやく終わりを迎えようとしていると記者団に語った。

下院での法案通過は確実ではないものの、ジョンソン議長は可決に必要な票は確保できるとの見通しを示した。

民主党内からは不満

一方、民主党穏健派の上院議員による造反でまとまった今回の合意案は、同党が政府再開の条件として求めてきた医療保険制度改革法(オバマケア)の保険料補助金の延長を盛り込めなかった。ただ、共和党から今後数週間以内にオバマケア補助金延長に関して別途採決するとの約束を取り付けた。

だが、先の地方選に勝利し祝賀ムードに包まれていた民主党内からは激しい反発が起きている。カリフォルニア州のニューサム知事は今回の合意を「情けない」と一蹴。イリノイ州のプリツカー知事も、合意における共和党側の譲歩を「空約束」と痛烈に批判した。

共和党のジョンソン下院議長

原題:Trump Backs Deal to End US Shutdown in the Coming Days (3)、Thune Says Monday Vote on Stopgap Bill Is Uncertain(抜粋)

(トランプ氏の発言などを追加して更新します)

--取材協力:Caitlin Reilly、Steven T. Dennis.

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