イランでは警察が反政府デモ弾圧を継続する姿勢を示す一方で、政治指導者らは動乱の中で拘束されたデモ参加者の一部に対して「寛容と慈悲」を示すべきだと述べた。

ペゼシュキアン大統領とホセニエジェイ司法府代表、ガリバフ国会議長が19日、共同声明でこうした立場を示した。数日前には、トランプ米大統領が、イランで計画されていた数百人の処刑やさらなる殺害の中止が保証されたとして、同国に対する攻撃を見送る考えを示唆していた。

タスニム通信によると、大統領らは「殺人犯やテロ扇動者には断固たる処罰を行う一方、誤った方向に導かれ、テロ行為で中心的な役割を果たさなかった人々には、イスラムの慈悲と寛容を示さなければならない」と述べた。

人権団体によれば、イラン当局のデモ弾圧で、これまでに約3500人が死亡したが、実際の犠牲者数はさらに多い可能性が高い。通貨リアルの暴落と物価高騰を背景に抗議活動が始まった12月28日以来、拘束された人の数は約2万5000人に上るという。

イラン当局は、国家による弾圧が数千人の死を招いたとの見方を否定し、代わりに米国とイスラエルが暴動をあおり、殺害を助長したと非難している。こうした中、当局は携帯通信網を遮断し、全国規模でインターネット接続を停止した。活動家らによると、この遮断は12日間続いている。タスニム通信は19日、インターネット接続は週末までに段階的に通常に戻る見通しだと報じた。

拘束されたデモ参加者のうち、殺人やテロの罪で何人が起訴されたのかは不明。当局はこれらの罪に問われた人の裁判を迅速に進める方針を示していることから、依然として多くの人が死刑に処される可能性がある。

イラン警察のラダン長官は19日の別の声明で、治安部隊は「暴徒やテロリストを最後の一人まで追及」し、デモの指導者や扇動者に厳罰を科すと表明した。一方で、「誤った方向に導かれた」人については、3日以内に自首すれば処罰を軽減するとした。

イランのデモ弾圧は、人権団体や多くの西側諸国から強く非難されている。19日には世界経済フォーラム(WEF)が、ここ数週間の「イランにおける民間人の悲劇的な犠牲」を考慮して、同国のアラグチ外相のダボス会議出席を認めないと発表した。

原題:Iran Softens Rhetoric on Protesters as Police Continue Crackdown(抜粋)

--取材協力:Patrick Sykes.

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