米オルタナティブ資産運用会社アポロ・グローバル・マネジメントがスペインのサッカー1部リーグ所属クラブ、アトレティコ・マドリードの過半数株式を取得することで合意した。オルタナティブ運用会社による有名サッカークラブの買収が相次いでいる。

今回の買収は、アポロが新たに設立した50億ドル(約7710億円)規模のスポーツ投資ファンド「アポロ・スポーツ・キャピタル(ASC)」による初の大型案件。10日の発表資料では取得額は明らかにされなかった。事情に詳しい関係者によると、同クラブの評価額は約22億ユーロ(約3920億円)。

アトレティコ・マドリードの現筆頭株主、アトレティコ・ホールドコにはアトレティコ・マドリードのエンリケ・セレソ会長、ミゲル・アンヘル・ヒル・マリン最高経営責任者(CEO)、米投資会社アレス・マネジメントが出資している。

セレソ氏とヒル・マリン氏は現職にとどまり、引き続きクラブ運営を担う。持ち分も維持するとされる。

急速に成長しているスポーツファイナンス分野には、チーム投資やストラクチャード融資などさまざまな手法を活用する投資運用会社が相次いで参入している。クリアレイク・キャピタルは2022年にイングランド・プレミアリーグのチェルシーの過半数株式を取得。イタリア1部リーグのインテル・ミラノとACミランはそれぞれオークツリー・キャピタル・マネジメントとレッドバード・キャピタル・パートナーズに買収された。

アークトス・パートナーズとCVCキャピタル・パートナーズ、シックス・ストリートもスポーツリーグやチームに積極的に投資している。アポロはポルトガルのスポルティング・リスボンや英国のノッティンガム・フォレストなどのサッカークラブに融資を行っている。

アトレティコ・マドリードはスペイン国内で有数の名門クラブで、バルセロナとレアル・マドリードに次ぐ第3のクラブとして知られる。リーグ戦でトップ4入りを逃したのは2011~12シーズンが最後で、その年は5位に終わった。

今回のアトレティコ買収の重要な要素となるのが、本拠地リヤド・エア・メトロポリターノ・スタジアムの隣接地に、スポーツとエンターテインメントを融合した大規模複合施設を建設する構想だ。

アポロの取引は規制当局の承認を得る必要があり、2026年1-3月(第1四半期)に完了する見込みだ。

原題:Apollo Joins Rivals Buying Sports Teams in Atlético Madrid Deal(抜粋)

(アトレティコの戦績に関する情報を追加して更新します)

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