(ブルームバーグ):高市早苗首相は10日午前の衆院予算委員会で、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の扱いなど財政運営の新たな目標については来年6月ごろに策定する2026年の骨太の方針に向けて「より明確化していきたい」と述べた。
立憲民主党の馬淵澄夫氏への答弁。高市首相は今後の財政運営の在り方について「単年度ごとのプライマリーバランス黒字化目標の達成状況を見ていくのではなく、数年単位でバランスを確認する」と改めて強調。来年1月に内閣府が発表する「中長期の経済財政に関する試算」などを踏まえ、新たな方針策定の指示を出す考えを示した。
石破茂政権時代に策定した骨太の方針2025では、25年度から26年度を通じて、「可能な限り早期の国・地方を合わせたPB黒字化を目指す」と明記している。馬淵氏は同方針を破棄するかどうかただしたが、高市首相は「直ちにほごにするということではない」と指摘。新目標は「今後の考え方、検討事項」と説明した。
高市首相は、先週の衆院予算委でPB黒字化目標の達成状況を毎年度の予算編成などで確認する従来の方法を「取り下げる」と表明していたが、新たな方針を打ち出す時期については明確にしていなかった。
債務残高
高市氏は首相就任前、総債務残高から政府保有の金融資産を除いた「純債務残高」の対国内総生産(GDP)比が緩やかに低下する財政運営を目指すとしていた。
馬淵氏は現在の首相の考えをただした。高市首相は「債務残高についてはさまざまな定義がある」と指摘。その上で、「私が申し上げている債務残高対GDP比、債務残高も純債務残高も両方が含まれる。各指標の特徴を踏まえながら、さまざまな指標を用いて多角的に議論していくべきだ」と述べるにとどめた。
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