人工知能(AI)半導体で世界をリードする米エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は8日、旺盛なAI需要が続いているとし、台湾積体電路製造(TSMC)に対し半導体供給を増やすよう要請したと明らかにした。

台湾を訪れているフアン氏は、「事業は非常に好調で、月を追うごとに力強さを増している」とTSMC本社のある新竹で記者団に語った。

TSMCの年次運動会に参加した同氏によると、エヌビディアのAI向けメモリー半導体を供給する韓国のSKハイニックスとサムスン電子、米マイクロン・テクノロジーはいずれもエヌビディアを支えるため「膨大な生産能力」を拡充しているという。

フアン氏(右)と魏氏(新竹、8日)

TSMCの魏哲家CEOも同日、今回フアン氏からウエハー供給の増加要請を受けたと述べた。魏氏は同じイベントで、TSMCは今後も過去最高の売上高を毎年更新していく見通しだと社員に伝えた。

魏氏と7日に夕食を共にしたフアン氏は8日の運動会で、エヌビディアの成功を支えたTSMCの重要な貢献に謝意を示し、「TSMCがなければ、エヌビディアもなかった」と語った。

米クアルコムなど競合する半導体メーカーがAIアクセラレーター分野でエヌビディアの優位に挑む中で、フアン氏はTSMCの限られた供給能力を確保しようと取り組んでいる。

魏氏は10月のアナリスト向け説明会で、TSMCの生産能力は依然として極めて逼迫(ひっぱく)しており、需給ギャップを埋めるため全力を尽くしていると明らかにしていた。

原題:Nvidia CEO Asks TSMC for More Wafers to Meet Strong AI Demand(抜粋)

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