中国の工業利益は11月に2カ月連続で減少し、内需の減退と根強いデフレ圧力が企業業績の重しとなっていることをあらためて示した。

国家統計局が27日に発表した統計によると、11月の工業利益は前年同月比13.1%減少した。10月は5.5%減だった。ブルームバーグ・エコノミクスは15%の減少を予想していた。

今年1-11月の工業利益は0.1%増となり、1-10月の1.9%増から伸びが鈍化した。

低調な数字は、内需低迷と工業分野のデフレ進行が企業に与えている圧力を浮き彫りにしている。投資の落ち込みが続き、消費の伸びも冷え込みを見せている。米国との間では関税を巡る休戦が成立しているものの、他の貿易相手国との緊張は高まっており、今後さらなる逆風にさらされる可能性がある。

製造業の利益は1-11月に5%増加した。航空宇宙や電子機器製造といった先端産業の好調に支えられた。公益事業も引き続きプラス圏内を維持したが、鉱業は二桁台の減少が続いている。

11月に工業利益の減少幅が拡大したことは、投資や雇用にさらなる重しとなる可能性がある。それでも、政府が掲げる5%前後の経済成長目標が達成可能と見られるため、政策当局者はこれまでのところ追加刺激策の導入を控えている。

翌年の経済政策方針を決定する今月の中央経済工作会議で、トップ幹部が刺激策に慎重な姿勢を示したこともあり、エコノミストらは来年の金融緩和は緩やかなものにとどまり、財政支援の拡大も限定的になると予測している。

原題:China Industrial Profits Decline in November as Demand Cools (1)(抜粋)

--取材協力:Tian Ying.

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