(ブルームバーグ):米軍がクリスマスの日にナイジェリア国内のテロリスト拠点だとされるターゲットを攻撃し、さらなる軍事措置の可能性を警告したことを巡り、ナイジェリア政府当局者は米国による継続的な介入を容認する姿勢を示唆した。
トゥガー外相は26日、「継続的な事案であり、われわれは米国と協力している。これは古い紛争の新たな局面だ」とチャンネルズ・テレビジョンに語った。
複数のナイジェリア政府高官によれば、同国は米国との取り組みを調整しており、米軍による追加攻撃が予想されるという。情報の非公開を理由に匿名を条件に語った。
米国は、さらなる攻撃の可能性について公には何も言及していないが、ヘグセス米国防長官は、クリスマス当日の攻撃を発表したXへの投稿に追加措置を予告する文言(「more to come」)を含めた。フロリダ州の私邸「マールアラーゴ」に滞在中のトランプ大統領は、26日に自身の攻撃発表を再投稿したが、追加のコメントはなかった。
トランプ氏とその支持者らは、ナイジェリアでキリスト教徒を標的とした攻撃が行われていると非難してきた。ナイジェリア当局はそうした批判に強く反論。脅威はテロリストによるもので、アフリカの一部地域に広がる騒乱の一部だと主張した。
トゥガー外相は26日、「単純なレッテル貼りでは複雑な脅威は解決しない」とXに投稿。「ナイジェリアにおけるテロは宗教紛争ではなく、地域的な安全保障上の脅威だ」と述べた。
同外相によれば、米国の攻撃はナイジェリア政府からの情報に基づいて実施され、ルビオ米国務長官との対話を経て行われた。この件に詳しい米当局者によると、ルビオ長官は25日、攻撃前にナイジェリア外相と数回にわたって協議したという。
米国防総省はソーシャルメディアへの投稿で、艦船からミサイルが発射される様子の動画を公開したが、攻撃の詳細や被害について明らかにしていない。
トランプ氏は26日に公開されたポリティコとのインタビューで、攻撃はテロリストのキャンプを「壊滅させた」と語った。また、25日に合わせるために攻撃を1日遅らせたと明かし、「クリスマスプレゼント」だと呼んだ。
攻撃はナイジェリア北西部のソコト州を標的に行われたが、この地域では10月に地元のカトリック司教がキリスト教徒の迫害はないと述べていた。標的は過激派組織「イスラム国(IS)」に関連するものだと、国防当局は説明している。
ナイジェリアのイドリス情報相はXへの投稿で、攻撃はギニア湾の艦船から行われ、「MQ-9リーパー」ドローンが使用されたと明かした。16発のGPS誘導弾を発射し、サヘル回廊から入国しようとしていたIS部隊を無力化したという。
原題:After Trump Strike on Terrorists, Nigeria Says Open to More (2)(抜粋)
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