観光客「自分の国では問題ない」 迷惑行為が深刻化

頭を悩ませているのは、京都市内の観光地だけではありません。

京都府の北部、人口1800人ほどの伊根町。

「舟屋」が伊根湾を囲むように立ち並ぶ景色がSNSなどで人気を集め、年間の観光客数は去年、48万人を記録。人口の約270倍もの人が訪れているのです。

地元住民
「(観光客に)来ていただくことに大賛成。にぎやかな田舎はうれしい」

歓迎する声もある一方で…

地元住民
「道いっぱいに歩かれるせいで、日中は外に出られない」

「観光客が多すぎて外を出歩けない」というのです。

この日は金曜日ですが、ひっきりなしに観光バスがやってきます。鉄道が通っていない伊根町へのアクセス方法は車に限られているのですが…

記者
「車がすれ違おうとしていますが、道が狭いためか、なかなかすれ違えません」

道路の幅が狭いため、対向車とすれ違うのも一苦労。車道では、車と観光客が入り乱れる場面も。そして周辺には…

記者
「道路の隅には飲み物を飲んだ跡とみられるものが置かれています。容器には中国語で『ヨーグルト風味』と書かれています」

こうした状況に地元住民はほぼ毎日、ゴミ拾いに追われています。さらに、深刻なのが…

舟屋の住民
「天気がいい日は写真を撮るために入ってくる」

ーーどのあたりまで?

舟屋の住民
「ここまで入ってくる。ここを通って先まで出ていく」

観光客が自宅の敷地内に無断で入ってくるというのです。記者が張り込むと…

記者
「他人の家の玄関前まで入ってポーズを取っています。観光客が私有地へためらうことなく入っていきます」

私有地に自由に出入りする観光客の姿。

地元の人たちは対策として、私有地であることを知らせる柵を設置しましたが…

記者
「男性と女性が無断で私有地に入り込み、写真を何枚も撮り続けています」

なぜ柵を無視して無断侵入するのか。記者が直撃すると…

ーー舟屋が私有地と知っていましたか?

韓国からの観光客
「知りませんでした。初めて伊根町に来たんです。私は一回も聞いたことがなかった。そこまで考えはなかった」

韓国から来た女性、敷地に立ち入らないように記者が注意すると…

韓国からの観光客
「韓国ではすべての道を行き来することができる。狭い道であったとしても。すみません~」

謝罪はしながらも「自分の国では問題ない行為」だと言って去っていきました。観光客による迷惑行為をなくすにはどうしたらよいのでしょうか。