韓国の国家情報院は、トランプ大統領と金正恩総書記による会談の機運が、来年3月にも再び高まる可能性があるとの見通しを示しました。

【米朝首脳会談】

アメリカのトランプ大統領は、先月APEC首脳会議にあわせて「金正恩総書記に会いたい」との意向を示していましたが、結局会談は実現しませんでした。

しかし、韓国の国家情報院は水面下で北朝鮮側が対話に向けて準備を続けていたとする具体的な分析結果を明らかにしました。

北朝鮮側はアメリカ政府の実務担当者を分析していたほか、崔善姫外相が米朝首脳会談のために直前まで、自らのロシア訪問について考えを巡らせていた状況も確認されたということです。

また、国情院から報告を受けた韓国の国会議員によりますと、北朝鮮の党大会や米韓合同演習などの日程を考慮すると対話の機運が再び高まる一つの山場は来年3月だということです。

【ロシア派兵】

一方、国情院は北朝鮮軍のロシアへの大規模な派兵に関する分析も公表しました。

北朝鮮軍の建設部隊およそ5000人が、今年9月からロシアへ順次移動しており、インフラ復旧作業に動員されるとみられています。

さらに、現在すでに1万人あまりがロシアとウクライナの国境付近に配置され、任務を遂行中だとしています。

そして、追加で派遣されたおよそ1000人は地雷除去作業に投入されていると分析しています。

国際社会が懸念を深める北朝鮮とロシアの軍事協力の実態が、韓国情報機関の分析で改めて浮き彫りになっています。

【ICBM火星20型】

さらに、国情院は軍事パレードに登場した新型のICBM=大陸間弾道ミサイル「火星20型」についても分析結果を公表しています。

国情院は、以前の「火星19型」と比べて胴体が軽量化され、推進体が改良されたと指摘しています。

そして、弾頭を搭載する空間が拡大し、多弾頭化や弾頭の重量が増加する可能性が高いとしています。

また、ミサイルについてはロシアの支援を受け、誘導性能と精度が改善されていると分析しました。

特に無人機開発の進捗速度が速く、韓国の安全保障にとって重大な脅威となり得るとの見解を示しました。