(ブルームバーグ):イジー・イングランダー氏は、自ら最高経営責任者(CEO)を務める世界最大級のヘッジファンド運営会社ミレニアム・マネジメントの株式約15%を投資家グループに売却した。創業者の同氏が経営の第一線を退く将来に備える。
社員宛ての内部文書によると、「ミレニアム運営会社の少数のパッシブ持ち分」の売却が完了した。売却先の投資家は明らかにしていない。非公開情報を理由に関係者が匿名で語ったところでは、売却額は約20億ドル(約3084億円)で、同社の企業価値を約140億ドルと評価した。
創業者が経営の中心となることが多いヘッジファンド業界では、後継者の育成が従来から難しい課題となっている。社員にとって自社株保有は定着の動機付けとなり、大手機関投資家をオーナーに加えることで、長期的関係を築き、安定確保にも役立つ。
ミレニアム(運用資産790億ドル余り)は、イングランダー氏(77)と関連事業体がこれまで全株式を保有していた。今回の売却により、複数の大手機関投資家や富裕層投資家、ミレニアムの経営トップらに株主が分散する。
ミレニアムは社員宛ての文書で、「今回の対応により、当社の耐久性がさらに強化され、将来の持続的成長と成功に向けた体制が整うとイジー(イングランダー)氏と経営陣は確信している」と説明した。
原題:Millennium Sells $2 Billion Minority Stake in Hedge Fund Firm(抜粋)
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