高市早苗首相は4日の衆院本会議で、物価の現状について「賃金上昇を伴った持続的、安定的な物価上昇の実現は道半ば」との見解を示した。立憲民主党の野田佳彦代表の質問に答弁した。

日本銀行に対し、2%の物価安定目標の実現に向け、「引き続き適切な金融政策運営が行われていくことを期待している」と述べた。政府としては「責任ある積極財政」の考え方の下、日本の供給構造を強化しながら、「物価高をさらに加速させることがないよう、戦略的に財政出動を行っていく」との方針を示した。

野田氏は代表質問で、利上げをけん制していた首相就任前の高市氏の発言を取り上げた。「今の状況で全く金利の引き上げを許さないということになれば円安が進行し、インフレを助長する可能性がある」と見解をただしていた。

高市首相が自民党総裁に就任した10月上旬以降、円安傾向が続いているが、4日の日本市場では円の対ドル相場が153円台半ばまで上昇。片山さつき財務相が円安水準が続く為替相場に改めて警戒感を示したことなどを受けて円が買われている。

イベントのお知らせ:グローバル・クレジット・フォーラム東京

11月5日(水)午後4時より、ブルームバーグ主催「グローバル・クレジット・フォーラム東京」を開催します。三村淳財務官や伊藤豊金融庁長官のほか、金融業界のリーダーらがクレジット市場の課題や展望について議論します。端末でのご視聴はこちら、オンラインからはこちらでご覧ください。

野田氏は政府が臨時国会に提出する方針を表明している2025年度補正予算案の規模についても質問した。高市首相は、必要な施策を積み重ねていくことによって決まるとした上で、「財政健全化目標との関係も含め、その規模についてあらかじめ言及することは差し控えたい」と述べた。

他の発言

  • アベノミクスはデフレでない状況作り出した
  • 成長戦略の成果十分ではなかった-アベノミクス
  • ガソリン暫定税率廃止、政党間の議論結果を踏まえて対応
  • 議員定数削減、できるだけ幅広い賛同得ること重要
  • 答えること控える-トランプ米大統領のノーベル平和賞推薦

(市場の動きなどを追加し、更新しました)

--取材協力:日高正裕.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.