シンガポール政府は3日、初代首相の故リー・クアンユー氏の自宅を国定記念物として保存する方針を発表した。植民地時代に建てられたこの家を巡り、クアンユー氏の子どもらは長年にわたって対立してきた。

国家遺産局とシンガポール国土庁の共同声明によれば、ネオ文化・地域・青年相代行は、オクスリー・ロード38番地の邸宅を保存するよう求める同局の勧告を受け入れた。

商業地区オーチャードの近くにあるこの邸宅が保存される場合、公共施設として活用する可能性が検討されているという。

声明によると、政府はあらゆる選択肢を考慮した上で、クアンユー氏の意向を尊重し、建物から家族の私的な生活の痕跡を全て取り除くとしている。

クアンユー氏の末息子リー・シェンヤン氏が昨年、家屋を取り壊す許可を当局に申請した後、政府は工事を一時差し止めていた。シェンヤン氏と、昨年亡くなった姉リー・ウェイリン氏は、長男のリー・シェンロン前首相が、父親の望みだった私邸の解体を妨げようとしていると非難してきた。

シェンヤン氏は3日夜、フェイスブックへの投稿で「人民行動党(PAP)政権は、自宅を取り壊すという父の遺志を踏みにじった」などと批判した。

この家に住んでいたウェイリン氏が昨年10月に死去した後、兄弟間の確執が再び表面化していた。

原題:Singapore Weighs Turning Lee Kuan Yew’s Home Into a Monument (1)(抜粋)

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