(ブルームバーグ):11月第1週(4-7日)の債券市場は、5日の10年利付国債入札を前に売りが先行し、長期金利に上昇圧力がかかる見込みだ。為替の円安が進めば日本銀行の利上げが前倒しされるとの見方が強まりやすいことも相場の重しになる。
市場参加者の見方
◎りそなアセットマネジメントの藤原貴志チーフファンドマネジャー
- 日銀の植田和男総裁が金融政策決定会合後の会見で、利上げに向け「春闘における初動のモメンタムがどうなるか、もう少し情報を集めたい」と述べたことを受けて、12月利上げが意識されており、相場の上値を抑える要因になる
- このところの株価の大幅上昇を受けて年金勢のリバランスの買いが結構入っており、相場の下支え要因になるだろう
- 10年債入札は年金勢のリバランス需要で悪くない結果を予想しているが、日銀の国債買い入れ減額がボディブロー的に効いてくることや財政拡張懸念により、相場は入札後は伸び悩むだろう
- 新発10年債利回り予想レンジ1.62-1.67%
◎みずほ証券の大森翔央輝チーフ・デスク・ストラテジスト
- 5日に10年債入札を控え5年から10年の利回りがじりじりと持ち上がる調整が入りやすい
- 同日夜に米ADP雇用統計の発表を控え、ディーラーは在庫を圧縮してヘッジを先物に寄せがちで、先物の影響を受けやすい7年から10年の相対的な重さが目立ちやすい
- 11月入り直後は例年、生命保険各社の投資方針が出そろい季節的な買いが意識されるが、今年は新規積み増しより低利回り債の入れ替えを優先するスタンスが多く、季節要因は平年より控えめだろう
- 新発10年債利回り予想レンジ1.59-1.73%
国債入札
日銀買い入れ
10月31日午後5時に公表予定
主な材料
- 3日:10月の米ISM製造業景況指数
- 5日:9月18・19日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
- 5日:10月の米ADP雇用統計
- 5日:10月の米ISM非製造業総合景況指数
- 6日:9月の毎月勤労統計
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