米半導体大手エヌビディアは、フィンランドのノキアに10億ドル(約1520億円)出資する計画だ。ノキアはモバイル通信機器から人工知能(AI)分野に軸足を移しつつあり、この戦略が業界を主導する存在であるエヌビディアによって後押しされる。

ノキアは28日、約1億6600万株を新たに発行し、1株当たり6.01ドルでエヌビディアに割り当てると発表。これによりエヌビディアはノキアの2.9%株を保有する。

ノキアは第5世代(5G)および第6世代(6G)移動通信システム向けソフトウエアを高速化させるためエヌビディアの半導体を利用し、エヌビディアは人工知能(AI)インフラにノキアのデータセンター技術を活用する方法を検討する。

ノキアはモバイル通信機器の販売で知られているが、AIブームによる演算能力需要の高まりを背景に、最近はデータセンター事業に力を入れている。この戦略が功を奏し、7-9月(第3四半期)の利益は市場予想を上回った。今年これまでには、AIデータセンター向けのネットワーク製品を拡充するためフィンランドのインフィネラを評価額23億ドルで買収した。

この発表を受けてノキアの株価は急騰。一時17%高と、取引時間中として2013年以来の大幅上昇を記録した。

ノキアの大幅な企業転換を率いるジャスティン・ホタード最高経営責任者(CEO)は、5G無線機器から光ファイバーケーブルに至るまで中国の華為技術(ファーウェイ)に代わって通信機器全体を供給できる西側企業はノキアしかないと強調している。

原題:Nvidia to Invest $1 Billion in Nokia in AI Networking Push(抜粋)

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