事件後「信仰心より強く」母親に独自取材 

裁判を前に、奈良県内に住む被告の母親がJNNの取材に応じました。

旧統一教会に入信したきっかけは、夫の自殺と、山上被告の兄にあたる長男の難病で、たび重なる家族の不幸に苦しめられていたと話します。

山上被告の母親(取材ノートより)
「(長男は)命に関わる病気だったから、右目の失明とか、頭の開頭手術とか、なぜ、私の子どもをって。自分の生き方が、どうなんだろうって」
「じゃあどうしたらいいのかを解き明かしてくださったのが、メシア(=救い主)なんです」

母親は多額の献金について、今どう思っているのでしょうか。

山上被告の母親
「お金のある人はたくさんすればいいし、ない人は別に少しでもいいけど、私の場合はちょっと考えずに(献金を)やりすぎてしまった」

一方で、事件が起きたのは「献金だけが原因ではない」とも話します。

山上被告の母親
「あの子の心のほんとうは、多分それじゃないと思います。なんというか、愛の問題だと思う。家族での愛の問題。申し訳ないと思っていますよ。私が母親じゃなかったら、ここまで追い詰めなかったのになと思いますよ」

記者
「ずっと信仰してこられたにもかかわらず、事件が起きました。信仰が報われなかったとは思いませんでしたか?」

山上被告の母親
「宗教自体がそうですけど、何か起こったことに対して常に自分を振り返るというかね、なぜかっていうのは自分に原因があるって見ていくので」

記者
「安倍元総理が亡くなられたことに対しては?」

山上被告の母親
「申し訳ないと思っています」

母親に、山上被告に会いたいか尋ねると、一言「会いたいです」と答えましたが、事件の後、旧統一教会への信仰心が「より強くなった」と話しました。