(ブルームバーグ):トランプ米大統領は、ホワイトハウスに新たに建設するボールルーム(舞踏場)の費用確保に向け、政治キャンペーンさながらの資金調達に動いている。総工費は約3億ドル(約459億円)と見込まれ、大統領選の会計責任者を務めたメレディス・オルーク氏を資金集めに起用した。
事情に詳しい関係者によると、オルーク氏のチームはワシントン各所を回り、2024年大統領選や就任式でトランプ氏を支援した企業と経営幹部らに寄付を募っている。共和党系ロビイストとその企業顧客にも接触し、トランプ氏が国家への贈り物と呼ぶプロジェクトに寄付するチャンスだと売り込む。
ホワイトハウスは資金面の詳細をほとんど明らかにしておらず、オルーク氏にコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。
トランプ氏は企業の経営トップや共和党支援者らを集めた15日のチャリティーディナーで、友人らから必要な資金は全て集まったと述べ、余った分は別の建設計画に充てる意向を示した。
ホワイトハウスによると、寄付を行った企業には、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、アルファベット傘下グーグル、メタ・プラットフォームズ、暗号資産(仮想通貨)交換業者コインベース、リップル・ラボ 、ステーブルコイン発行会社テザー・ホールディングスといったテック・暗号資産関連大手が含まれる。
長年トランプ氏を支援してきたブラックストーンのスティーブン・シュワルツマン最高経営責任者(CEO)やミリアム・アデルソン氏も寄付したという。
寄付金は、米国立公園局のNPOパートナーで、歴史的建造物の修復・保全を支援する「トラスト・フォー・ザ・ナショナル・モール」に送られる。寄付の主体を開示する義務はないが、今回寄付した企業の多くは政府との大型契約や規制上の問題、司法省主導の訴訟、未承認の企業の合併・買収(M&A)を抱える。

ジョージ・W・ブッシュ政権でホワイトハウス倫理顧問を務めたリチャード・ペインター氏は「これはペイ・トゥ・プレー(便宜供与の見返り)の部屋だ。これらの企業は政府との契約や規制上の譲歩を望んでいる」と批判した。

原題:Trump’s Ballroom Fundraising Taps Cash From Crypto, Tech Allies(抜粋)
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