米銀シティグループは、サウジアラビア最大都市で首都のリヤドに地域本部を開設したと発表した。同国の政府や約1兆ドル(約153兆円)規模の政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)との取引拡大を目指している。同国で存在感を高めようとする米金融機関の動きが相次いでいる。

発表資料によると、同国で営業認可を昨年取得した同行が本部に選んだのは、米ゴールドマン・サックス・グループなど他の金融機関が拠点を置く華やかな新しい金融街ではなく、ランドマークであるキングダムタワーの一角だ。

シティのジェーン・フレーザーCEO

同行によると、この拠点は中東・北アフリカ地域における戦略的指針の提供や経営機能を担う。従業員数などの詳細は明らかにしていない。

この数日前にはシティの最高経営責任者(CEO)ジェーン・フレーザー氏が米国・サウジ・ビジネス評議会の共同議長に任命されており、両国およびシティと湾岸諸国との関係がより緊密になっている兆しともいえる。

今週、サウジでは年次投資会議「FII」が開催され、フレーザー氏をはじめ、JPモルガン・チェースCEOのジェイミー・ダイモン氏や、ゴールドマン・サックスCEOのデービッド・ソロモン氏らが登壇する予定で、シティの動向には注目が集まりそうだ。

今月初めには、JPモルガンも同国で地域本部開設の認可を取得したが、中東・北アフリカ地域の業務は引き続きロンドンの拠点が管轄する見込みだ。

これまで同国では米モルガン・スタンレーや米ブラックロックなどが地域本部の認可を取得済み。サウジ政府は、外国企業や資本の誘致を進める取り組みの一環として、地域本部の設置をPIFを含む政府との契約を結ぶための要件としている。

「リヤドに地域本部を設立することは、同国の成長の勢いに対するわれわれの自信と、その変化を推進する顧客の近くにいるという両方のコミットメントを示す」と、フレーザー氏は発表資料で述べた。

原題:Citi Opens Riyadh HQ as Wall Street CEOs Forge Deeper Saudi Ties(抜粋)

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