代替肉製品を手掛ける米ビヨンド・ミートの株価が過去最安値から急反発した。ミーム株として再び注目を集めており、これをきっかけに個人投資家による活発な売買が広がっている。

ミーム株とはSNSなどを通じた情報拡散で急速に人気化した銘柄を指す。主に個人投資家の集中的な売買によって、ファンダメンタルズとは無関係に株価が大きく動くことが多い。

個人投資家は今週、ビヨンド・ミートのほか、量子コンピューティング関連銘柄や暗号資産(仮想通貨)関連企業などを積極的に取引した。シティグループによると、21日には個別株の取引量全体に占める個人投資家の割合が16%と、2018年以降のデータで過去最高となった。この日の個別株の売買総額は約13億ドル(約2000億円)に上ったという。

 

シティのストラテジスト、ヴィシャル・ヴィヴェック氏らは23日付のリポートで「ビヨンド・ミートは人気ミーム株として復活し、過去3日間で他のどの銘柄よりも多く取引された」と指摘。「ビヨンド・ミートなどがミーム株として再浮上していることによって、個人投資家の取引活動を追跡しているシティのデータが過去最高水準まで急上昇した」と述べた。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期には、ゲームストップやAMCエンターテインメントと共にビヨンド・ミートも個人投資家の人気銘柄だった。シティのストラテジストは、トランプ大統領の返り咲き後に新たに注目を集めた銘柄群が登場していると指摘した。

同リポートによると、21日に見られた個人投資家による高水準の売買は「10月以降、そして今年を通じて見られる高水準の取引量と一致しており、暗号資産、人工知能(AI)、金相場への関心が背景にある」という。

23日も個人投資家の熱狂は冷めなかった。JPモルガン・チェースによると、個人投資家が米東部時間午前11時時点で株式と上場投資信託(ETF)に8億9500万ドルを投じ、この額は過去1年間の上位14%に当たる高水準という。ETFよりも個別株を好み、量子コンピューティング関連銘柄への買いが目立った。

 

ビヨンド・ミートの株価は先週、ほぼ全ての社債保有者が債務スワップを受け入れたとの発表を受け、株主価値の大幅な希薄化懸念が広がり、株価が最安値まで急落。10月16日に最安値0.5001ドルを付けたが、その後急速に切り返し、22日には一時7.69ドルまで急上昇した。

22日の取引終盤には、個人投資家の関心が他の銘柄に移り、ビヨンド・ミートの株価は取引時間中に付けた前日比112%高を全て吐き出し、終値では1%強の下げとなった。23日も続落し、終値では20%安だった。

原題:Beyond Meat’s Meme-Stock Revival Sparks a Retail-Trading Record(抜粋)

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