著名デザイナーのNigo氏が創業した日本発のストリートファッションブランドHUMAN MADE(ヒューマンメイド)」(東京都渋谷区)は、日本のポップカルチャーに対する関心の高まりを商機と捉え、東京証券取引所グロース市場へ新規上場(IPO)し、公募による新株発行と売り出しで160億円強を調達する。
Nigo氏(2021年)

同社が23日に規制当局へ提出した書類と公表した資料で明らかにした。新株発行は93万1400株、売り出しは474万株。調達額は想定価格の1株当たり2920円に基づく。上場日は11月27日の予定で、野村証券とみずほ証券が共同で主幹事を務める。需要に応じオーバーアロットメントによる売り出し85万700株を行う可能性もある。

今回の上場は、アニメーションやゲームなど日本のポップカルチャーに世界的な関心が集まっている中で行われる。為替の円安進行もあり訪日外国人客が増え続けており、インバウンド消費は国内小売企業の業績を支える要因の一つに成長した。上場を機に知名度が一段と上がれば、上海やソウル、香港にも店舗を持つヒューマンメイドの海外事業の拡大に寄与する可能性がある。

ヒューマンメイドはストリート系ブランド「A BATHING APE(ア・ベイシング・エイプ)」の創業者だったファッションデザイナー、NIGO氏が2010年に立ち上げた。24年まで務めた代表取締役最高経営責任者(CEO)をユニクロ出身の松沼礼氏に譲り、現在はクリエイティブ・ディレクターに専念している。

NIGO氏はLVMHモエ・ヘネシー・ルイヴィトン傘下のブランド「KENZO(ケンゾー)」のアーティスティック・ディレクターとしても知られ、LVMHでは米国の著名アーティスト、KAWS(カウズ)氏やNIGO氏とも長年コラボレーションするミュージシャンのファレル・ウィリアムスもアドバイザーを務めている。

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