
(ブルームバーグ):韓国は23日、同国として2回目となるサムライ債を起債した。信用力と利回りの高さで投資家を引き付け、発行総額は1100億円と前回(700億円)を大幅に上回った。
韓国のサムライ債は2023年の初回債以来2年ぶり。発行条件は2年債が利率1.065%、3年債が1.208%、5.25年債が1.457%、10年債が1.919%に決まった。

同国は今年、ユーロとドルでも起債している。ブルームバーグの算出によれば、基準金利に対するスプレッド(上乗せ金利)は今回、7月に発行したユーロ建て債よりも高い水準となった。基準金利も上昇しており、発行利率は韓国輸出入銀行が24年11月に発行した3年債(0.835%)を上回った。
韓国政府はS&Pグローバル・レーティングなどによる信用格付けが「AA」格と、「A」の日本よりも高い。
アセットマネジメントOneの加藤晴康ファンドマネジャーは、サムライ債は金融機関の発行が多いとした上で、「韓国は信用力があり、流動性も高く、海外投資家も多く参加するソブリン債で好感できる」と評価。今後の発行拡大に期待を寄せた。
ブルームバーグの集計によると、25年のサムライ債発行額は22日時点で7751億円。前年同期(1兆1427億円)に比べ約3割減少し、過去4年間で最低水準となっている。
バッファー
韓国が同じ年にドル、ユーロ、円の主要3通貨すべてで起債するのは初めて。韓国企画財政部のキム・ヒジェ国際金融局長はブルームバーグの電話取材で、外貨建て債の発行は外貨準備の補完と韓国の信用力の確認が目的だと説明。外部環境の不確実性が高まる中、バッファーを確保する狙いがあるとした。
韓国が通商交渉に関連して米国に約束した3500億ドル規模の投資パッケージを巡り、両国間で見解の相違が生じている。市場ではトランプ米大統領が求める現金での前払いが韓国経済に影響を及ぼすとの懸念も広がっている。
(第7段落以降に韓国政府幹部のコメントを含む背景情報を追記しました)
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