米アップルの新型複合現実(MR)ヘッドセット「Vision Pro」は、機能面で大きな刷新こそないが、生産体制で注目すべき変化があった。

最新チップ「M5」を搭載し、装着感を高めた新しいヘッドバンドを採用した新モデルは22日に発売され、パッケージにはベトナムで組み立てられたと表示されている。2024年2月に「M2」チップ搭載で発売された初代モデルは、中国で製造されていた。

Vision Proはアップル製品の中でも販売数量が比較的少ないが、今回の動きは同社が中国依存から脱却を進めていることを示している。スマートフォン「iPhone」の大半は依然として中国で生産しているものの、米国向け製品の多くで製造拠点を他国に移しつつある。

アップルは、中国政府との関係維持を図りつつ、トランプ米大統領による対中関税の影響や、供給網多様化の必要性という現実に対応するという難しいバランスを取っている。

同社の広報担当者は今回の動きについてコメントを控えた。

ベトナム製と記載されたVision Pro (M5) のパッケージ

アップルは今年に入り、中国製品への新たな関税を回避するため、米国向けiPhoneの大部分について、生産をインドに移している。また、ワイヤレスイヤホン「AirPods」とスマートウオッチ「Apple Watch」の大半もベトナムで製造しており、タブレット「iPad」やスマートスピーカー「HomePod」の一部生産も同国で行っている。

原題:Apple’s New Vision Pro Is Made in Vietnam in Latest China Shift(抜粋)

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