ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は、米地方銀行で起きた一連の不正疑惑に関連する損失について、個別の事例だとしつつも、融資審査基準への注意を促す警鐘として受け止めるべきだと指摘した。

ソロモン氏は21日、米経済専門局CNBCとのインタビューで「表面的には3件の独立した出来事のように見える事案が起きたのは興味深い」と発言。「3つの個別的な出来事があったからといって、それがトレンドやシステミックな問題になるわけではない」と述べた。

米サブプライム(信用力の低い個人向け)自動車ローン会社のトライカラー・ホールディングスが先月、破産を申請し、一部の債務がほぼ帳消しとなったことが最初の警戒シグナルとなった。その後、米自動車部品サプライヤーのファースト・ブランズ・グループが経営破綻し、ウォール街の大手金融機関に総額100億ドル(1兆5200億円)超の債務を抱えていたことが明らかになった。

続いて、米地方銀行2行が詐欺行為疑惑に関連する損失を計上。ザイオンズ・バンコープとウェスタン・アライアンス・バンコープは南カリフォルニアの不動産投資家に関連する投資ファンドに融資を行っていた。

ソロモン氏は「クレジット市場の主要プレーヤーにとって、ポートフォリオを見直し、リスク管理のあり方を再考する適切な時期だと思う。非常に長い間、本格的な信用サイクルを経験していないからだ」と語った。

プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社アトラス・マーチャント・キャピタルのボブ・ダイアモンドCEOは、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、自身は地銀に「非常に強気」だと話した。

「地銀セクターには非常に健全な銀行もあれば、経営がそれほど優れていない銀行もあると思う。もちろん、商業用不動産などへのエクスポージャーが他より大きいところもある」と同氏は指摘。「しかしセクター全体としては、極めて力強い」と続けた。

ダイアモンド氏は、地銀の数が多過ぎるとの自身の見解を改めて示した。現在の数は約4500行に上るとし、規制環境の緩和が進むにつれて業界の再編(統合)が続くと予想。今後2-3年で地銀の数は1000-1500行程度に減少すると見込んでいる。

原題:Solomon Calls Regional Bank Losses ‘Idiosyncratic Events’ (1)(抜粋)

(最終3段落にアトラスのダイアモンドCEOの発言を加えます)

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