(ブルームバーグ):22日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで151円台後半と、前日夕から円安に振れている。高市早苗政権が発足して内閣人事が明らかになると、市場の焦点が金融・経済政策の実現性に移り円安基調はいったん一服した。一方、ドルは堅調に推移している。
高市首相は21日夜の就任会見で「マクロ経済政策の最終的な責任は政府が持つ」と述べ、日本銀行との連携を強調した。一方で、金融政策の手法は日銀に委ねるべきだとし、政府・日銀の共同声明(アコード)を当面維持する考えを示した。新政権では片山さつき氏が女性初の財務相に就任した。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは22日付のリポートで、日本の政局に関して「当面は高市首相や片山財務相の発言に敏感な相場となりそうだ」と指摘。片山氏の「アベノミクスの積極財政、2025年版の推進は不自然ではない」との発言は拡張的な財政への期待を再燃させかねず、国債投資需要に影響が出るか注意したいとしている。
日銀内では利上げを急ぐ必要は乏しいものの、12月以降の早期利上げを視野に入れる声が広がっている。関係者によると、経済・物価は日銀の想定に沿って推移しており、目標達成の確度は高まりつつある。新政権の財政運営や米関税政策の行方を見極めつつ、政策判断の時期を探る構えだ。
翌日物金利スワップ(OIS)が織り込む10月の利上げ確率は3%程度に低下している半面、12月まででは約75%に上昇している。
前日の海外市場では米中首脳会談を巡る不透明感や堅調な米企業決算を背景に、ドルが主要通貨に対して底堅く推移した。米10年債利回りは3.96%に低下したが、金の急落などリスク回避の巻き戻しが進み、ドル安圧力は限定的だった。
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.