(ブルームバーグ):米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは、同社全体または一部事業に対して「複数の当事者」から関心が寄せられたことを受けて、さまざまな取引シナリオの検討を開始したと明らかにした。
同社は21日、取締役会が「幅広い戦略的選択肢」を検討すると発表。この中には、2026年半ばまでに予定されている会社分割を継続する案や、会社全体を対象とした取引、またはワーナー・ブラザース事業とディスカバリー・グローバル事業を個別に扱う取引などが含まれるという。
事情に詳しい関係者が匿名を条件に語ったところによると、Netflixやコムキャストなどが、ワーナー・ブラザースの映画・テレビスタジオ事業に関心を示している。米パラマウント・スカイダンスは既に同社全体の買収提案を少なくとも1度行ったが、拒否されたとされる。
ワーナー・ブラザースのデービッド・ザスラフ最高経営責任者(CEO)は「複数の当事者から関心が寄せられたことを受け、資産価値を最大限に引き出すための最適な道筋を見極めるべく、包括的な戦略的選択肢の見直しを開始した」と同発表文で説明した。
21日の米株式市場でワーナー・ブラザース・ディスカバリーは一時12%高。
同社は今年、ケーブルテレビ事業と、ストリーミングおよびスタジオ事業の2部門に分割する計画を発表していた。HBO Maxなどを含む急成長するストリーミング部門を、TNTやCNNを抱える低迷するケーブルネットワーク部門から切り離す狙いがある。
ワーナー・ブラザースの取締役会会長を務めるサミュエル・ディピアッザ氏は、同社では分離計画が「魅力的な価値を生み出す」と引き続き確信していると発表文で指摘。「ただし、今回の措置を取ることが株主の最善の利益になると判断した」と続けた。
戦略的見直しの完了に向けた期限や具体的な日程は示していない。
原題:Warner Bros. Weighs Sale Amid Interest From Several Parties (2)(抜粋)
(最終2段落を追加し、更新します)
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