(ブルームバーグ):資産クラス間の相関がこれまでにない動きを見せており、経験豊富な株式市場のトレーダーをも困惑させている。
ゴールドマン・サックス・グループのマクロトレーダーで欧州・中東・アフリカ(EMEA)執行サービス責任者のボビー・モラヴィ氏は、指数も個別株も、さらに金などの株式以外の資産も、懸念をよそに史上最高値を更新していることを指摘。
同時に、さまざまなニュースにもかかわらずボラティリティーは抑制されたままで、個人投資家の買い意欲は止まらず、人工知能(AI)関連の支出も拡大を続けている。
こうした状況についてモラヴィ氏は、「全てがおかしい」とコメント。債券、株式、金の間の歴史的な相関関係が「完全に失われている」と付け加えた。
S&P500種株価指数は年初来で15%上昇し、複数回にわたり史上最高値を更新している。
ここしばらくは中国との貿易摩擦再燃や米政府機関閉鎖への懸念が投資家心理に影響を与えたものの、好調な決算シーズン幕開けや経済成長の底堅さを示す兆しが、強気相場の流れを支えている。
モラヴィ氏はリポートで、最近の不安定が「調整ではなく一時的な揺り戻しの最新例となるのか、それとも警戒を促す炭鉱のカナリアとなるのかを見極めることになる」と記した上で、「いずれにせよ、多くの点でこの市場は従来の理屈が通用しないポストモダン的な様相を呈している」と論じた。
原題:Goldman’s Molavi Says Asset Class Correlation Is Looking Weird(抜粋)
--取材協力:John Viljoen.
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