(ブルームバーグ):世界有数の投資会社の経営トップが、投資先としての日本市場に高い関心を示している。国内外の資産運用会社が中心となって設立した「資産運用フォーラム」が21日都内で開いた年次会合の関連イベントで、今後の取り組みなどについてそれぞれ認識を明らかにした。
米オルタナティブ資産運用会社アポロ・グローバル・マネジメントのマーク・ローワン最高経営責任者(CEO)は、ビデオメッセージを寄せ、日本は「激変の渦中」にあり、「世界で最も興味深い場所だ」と言及。数十年にわたるような変化が、「わずか数年で起こるのを目の当たりにしている」と述べた。
ローワン氏は日本をはじめ世界が直面する課題として、次世代の産業を築くための長期的な資本需要、金融市場におけるインデックス化など根本的な変化、高齢化・退職問題などを挙げた。こうした「資本課題の解決、投資家基盤と資本の課題のマッチングこそが、われわれの事業の主要な機能だ」と語った。
米ブラックストーンのスティーブ・シュワルツマンCEOもビデオメッセージで、日本は魅力的な投資先だと述べた。個人預かり資産では同社にとって「世界第2位の市場」だと言う。日本政府がグローバルな資金を誘致し、国内投資家にも機会を広げる動きは、確かな勢いと進展が見られるとの認識を示した。
資産運用フォーラムは、資産運用のさらなる高度化に向けて設立され、2024年10月に第1回会合を開いた。25年7月に一般社団法人に移行した。今年はオルタナティブ投資や日本企業の価値向上などを議論してきたという。年次会合は今回が第2回となる。
一方、KKRのジョー・ベイ共同CEOは同イベントに登壇し、日本は同社にとってアジア最大の市場であり、高齢化の課題解決につながる技術や自動化、ソフトウエア産業のほか、データセンターやデータインフラ分野にも投資機会が見込めると改めて強調した。
--取材協力:谷口崇子、浦中大我.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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