明治安田生命保険は2025年度下期の金利上昇局面で円建て債券への投資を積極化する計画だ。上期に円債残高を7600億円削減しており、年度末時点の残高は減少する。北村乾一郎執行役員・運用企画部長が21日の運用説明会で明らかにした。

北村氏は、下期は20年債と30年債の買い入れを考えていると説明。「来年1月と見込んでいる日本銀行の利上げを踏まえ、金利が上昇したところで拾っていきたい」と述べた。年度を通じた円債残高は前年度(3900億円の減少)並みの減少になるとした。

自民党と日本維新の会が連立政権樹立で合意し、自民の高市早苗総裁が首相に選出されることが確実な情勢だ。生命保険会社の主な投資対象である超長期の利回りは財政拡張懸念から上昇基調をたどってきたが、政局の安定に伴い金利先高観は一服している。こうした中、巨額の資産を運用する生保の投資判断は世界市場を動かす可能性があり、市場の関心は高い。

北村氏は円債投資について「金利がさほど上がらなければ26年度に持ち越してもよい」とも話す。日銀は26年度にも2度利上げすると予想し、30年債利回りは3.5%超までの上昇を見込む。「金利のピークが近いなら買っていくが、年度内はそこまでいかないだろう」との見方を示した。

国内株式は上期に残高を増やした一方で、下期は減らす。北村氏は日経平均株価が5万円に近づいていることについて、株価収益率(PER)がバブル期の水準や米国株を下回っているため、「まだ健全だ」と指摘。「バブルのように熱狂した状況ではなく、成長を伴った上昇だ」と評価した。

【明治安田生命の2025年度下期運用計画】

【金融環境見通し:26年3月末の見通しの中央値とレンジ】

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