カナダのブリティッシュコロンビア(BC)州政府は、人工知能(AI)データセンター向け電力供給を制限する法案を提出した。また、暗号資産(仮想通貨)マイニング事業の送電網への新規接続を恒久的に禁止する方針も打ち出した。

BC州エネルギー省は20日、州政府は鉱山や天然ガス関連施設など、雇用や収益への効果がより大きい業界への送電網接続を優先すると表明。「他の州は新興セクターの電力需要への対応に苦慮しており、多くの場合は一般向け電力料金の大幅値上げにつながっている」と説明した。

BC州の電力供給を独占している州営電力会社のBCハイドロは2026年初めに競争的公募を行い、2年間でAI向けに300メガワット、データセンター向けに100メガワットの電力量を割り当てる計画だ。

同省によると、鉱業、石油・ガス、製造業、林業、水素の各業界向け電力供給には上限を設けない。

BC州の今回の動きは、データセンター誘致に奔走する他の州とは対照的だ。隣接するアルバータ州は向こう5年間で1000億カナダドル(約10兆7000億円)のデータセンター投資を呼び込む方針で、豊富な天然ガス資源が電力供給源になるとアピールしている。

BC州は22年に暗号資産マイニング事業の送電網への新規接続を停止する暫定措置を導入し、24年に延長した。今回、「過大な電力消費と限定的な経済効果」を理由にこの禁止措置を恒久化すると同州政府は発表した。

原題:Canadian Province Moves to Limit AI Power Use, Ban Crypto Mining(抜粋)

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