(ブルームバーグ):トランプ米大統領は20日、イスラム組織ハマスがイスラエルとの停戦合意を順守しない場合、米国としてハマスを壊滅させると警告した。イスラエルは19日、パレスチナ自治区ガザにあるハマスの拠点を攻撃した後、停戦合意の履行を再開すると発表した。
トランプ氏はホワイトハウスでオーストラリアのアルバニージー首相と会談した際、ハマスに言及。「彼らは順守するだろう。さもなければわれわれが出向いて彼らを根絶やしにする。必要とあれば完全に壊滅させる。彼らもそれを分かっている」と述べた。
米軍地上部隊の投入を意味するのかと記者団から問われ、トランプ氏はそうではなく、イスラエルに対し、戻って「対応する」よう要請するだけだと説明。ただ、「現時点ではまだそうしてない。少し様子を見て、その間に暴力が減ることを期待している」と述べた。
トランプ政権が仲介した停戦合意は週末に再び破られ、ハマスの待ち伏せ攻撃とイスラエルによる空爆で多数の死傷者が出た。ハマスとイスラエルの双方が停戦合意違反だと非難し合う状況となっている。
米国のウィトコフ中東担当特使とトランプ氏の顧問で娘婿のジャレッド・クシュナー氏は20日にイスラエル入りし、停戦履行を確実にするための協議を開始した。イスラエルのネタニヤフ首相によると、21日にはバンス米副大統領も到着する予定。
イスラエル国防軍(IDF)は19日遅く、「停戦合意の履行を再開した」と発表し、「いかなる違反行為にも断固とした対応を取る」と警告した。
一部の人道支援物資は搬入が再開されたが、ラファ検問所は依然として閉鎖されている。
ハマスは停戦維持へのコミットメントを改めて表明する一方で、ラファ地域で活動する一部の戦闘員とは連絡が取れず責任を負えないと主張した。
イスラエルの部隊と戦車は現在、ガザ地区の「イエローライン」と呼ばれる地域まで後退したが、依然として地区の半分強を掌握している。パレスチナ自治政府の公式通信社WAFAによると、イスラエル軍の19日のガザ空爆で44人が死亡した。
原題:Trump Vows to ‘Eradicate’ Hamas as Fragile Gaza Truce Resumes(抜粋)
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