(ブルームバーグ):来週の円相場は米地銀を巡る懸念からドル売り・円買い圧力が続く見込みだ。21日の首相指名選挙で高市早苗自民党総裁が勝てば、高市トレードの復活で再び円売りが強まる可能性もある。
◎オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクター
- 米地銀問題は個別行の問題という見方がある一方で、問題を抱える金融機関が新たに出てくると止まらなくなるリスクもある
- 情勢を見極められるまでドルの上値は重く、150円割れの時間帯が長くなる可能性がある
- 高市トレードは米中貿易摩擦や米信用不安で覆い隠されているだけで終わってない
- 米地銀問題が沈静化すれば再び円売り圧力が強まるだろう
- 中期的には不安定な日本の政局に加え、米中貿易摩擦の収束を受けて、一段のドル上昇があり得るとみている
- 予想レンジは1ドル=148-151円50銭
◎三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジスト
- 来週は前半は円高方向、週半ば以降は円安方向を予想する
- 足元では米地銀に端を発した信用不安からリスク回避の動きが強まり、株安・円高に振れており、来週前半はその傾向が続くだろう
- ドル・サイドでは信用不安に加え、政府機関の閉鎖、米中貿易摩擦、利下げ継続と弱い材料が多い
- 21日の首相指名選挙では高市自民党総裁が勝利する公算が大きくなっており、高市トレードが意識されて円安方向の圧力が強まるだろう
- 予想レンジは1ドル=147-153円
主な予定
- 20日:日本銀行の高田審議委員が中国経済連合会で講演
- 21日:臨時国会召集
- 21日:日銀の氷見野副総裁がユーラシア・グループ主催の「GZERO サミットジャパン2025」で講演
- 23日:連合が春季生活闘争基本構想を公表
- 24日:9月の全国消費者物価指数(CPI)
- 24日:9月の米CPI
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