(ブルームバーグ):英国の右派ポピュリスト政党、リフォームUKのファラージ党首は16日、ロシアのプーチン大統領を非理性的だと批判し、北大西洋条約機構(NATO)の空域に侵入したロシア機を撃墜することを支持すると述べた。ロシアに対する自身の融和的な姿勢が首相就任を目指す上で障害になり得るとの見方があった。
ファラージ氏はブルームバーグの「ザ・ミシャル・フセイン・ショー」とのインタビューで、凍結されたロシア資産をウクライナ支援に充てることを支持するとともに、自身が首相になった場合には、国連平和維持部隊の一員として英軍をウクライナに派遣する可能性もあると語った。
また、ロシア機が同盟国の領空を侵犯した場合の対応を問われ、「撃ち落とさないといけない」と答えた。

ファラージ党首は「明らかにプーチン氏は理性的な人物ではない」とし、「私がこの件に関して甘いというのは、全くナンセンスだ」と話した。
ファラージ氏は約1時間にわたるインタビューで、自らが目指す財政政策や米国型の強制送還計画、宗教の信仰などにも触れた。
ロシアに関する今回の発言は、ファラージ氏の対ロ姿勢が強硬になったことを示している。リフォームUKにはロシアに対して弱腰だという印象が残り、スターマー首相らは世論調査での同党のリードに打撃を与えようとしている。
リフォームUK所属の下院議員が5人にとどまり、総選挙も4年先とされる中でも、次期首相としてファラージ氏を有力視する予測があり、ここ数週間で同氏の政策に厳しい視線が注がれている。

ファラージ党首は過去にプーチン氏への称賛を表明したことがある。元側近は先月、欧州議会で親ロシア的な発言を行う見返りに賄賂を受け取っていたことを認めた。
ファラージ氏はNATOや欧州連合(EU)の「果てしない東方拡大」がロシアによるウクライナ侵攻の一因になったとの持論を改めて展開。一方で、トランプ米大統領の戦闘停止に向けた取り組みにプーチン氏が協力していない点を批判した。
2016年に実施されたEU残留・離脱を問う国民投票で、離脱派を主導したファラージ党首は、長年にわたってトランプ氏との関係の近さをアピールしてきた。
「今後数カ月のうちに、米国がトマホーク・ミサイルをキーウに供与し始めるのを目にすることになると思う」とファラージ氏は語り、「トランプ氏はプーチン氏に恥をかかされたと感じているのではないか」と述べた。
原題:Farage Says ‘Gotta Shoot’ Down Russian Jets in Harder Putin Line(抜粋)
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