米マサチューセッツ工科大学(MIT)のデジタル通貨専門家は、先週末に起きた暗号資産(仮想通貨)市場の急落はパニックになる必要はない出来事だと述べた。むしろ市場が設計された通りに機能している証拠だという。

MITメディアラボのデジタル通貨イニシアチブでディレクターを務めるネハ・ナルラ氏は15日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、最近の仮想通貨市場の急落について言及。「大幅な下落はあったが機能した」とし、「誰かを救済したり、取引を巻き戻したりする話にはならなかった」と発言した。

米中の関税を巡る対立が招いたボラティリティーでビットコインは13%下落した。アルトコインはさらに大幅な下げとなった。

ナルラ氏は「特に印象的だったのはブロックチェーン(分散型台帳)上で起きたことと中央集権型の取引所で起きたことの違いだ」と語っている。

今回の急落は一時的なもので、価格も一部回復したが、週末の取引における慢性的な流動性不足や過度なレバレッジ、主要取引所による強制清算の処理や報告など、仮想通貨市場の構造に根本的な問題があるとの批判も出ている。

さらにナルラ氏は仮想通貨市場は「著しく実験的」で、予期せぬ出来事を「経験して」学ぶ機会を提供しているとした上で、「仮想通貨は依然として無法地帯で、われわれはまだ手探りの状態だ」と述べた。

マサチューセッツ工科大学メディアラボのデジタル通貨イニシアチブでディレクターを務めるネハ・ナルラ氏が仮想通貨について語った。

原題:Crypto ‘Worked’ During Crash, MIT Digital Head Narula Says (1)(抜粋)

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