(ブルームバーグ):日本と中央アジア5カ国の首脳による初の会合が20日、東京都内で開催された。資源が豊富な同地域への国際的関心が高まる中、中央アジアにおいて、5年間で総額3兆円のビジネスプロジェクトの目標を設定した。
会合では、気候変動対策や物流・交通・人的交流、人材育成を重点協力分野とする「東京宣言」を採択。重要鉱物や資源の安定供給へサプライチェーンの(供給網)の強化が盛り込まれた。日本による関係強化の一環として、中央アジア諸国がロシアを通らずにカスピ海経由で欧州に通じる新たな国際輸送ルートの整備を支援する。
日本の外務省によれば、輸送ルートの整備は中央アジアと他の地域との接続性を高め、地域経済を強化し、自立を促すことにつながるという。
日本はエネルギーや鉱物資源が豊富な中央アジアとの関係を強化することで、世界的な通商摩擦の中で脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りとなったサプライチェーンの強化を図る。

今回の会合は高市早苗首相が議長を務め、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの5カ国の首脳が出席。日本にとっては、ロシアや中国と経済のつながりが強い中央アジアで存在感を高める機会となった。
この1年では、4月に欧州連合(EU)がウズベキスタンで初の中央アジア首脳会合を開催。6月には中国の習近平国家主席がカザフスタンを訪問し、「一帯一路」構想の推進を確認した。ロシアのプーチン大統領は10月にタジキスタンで首脳会談に臨み、トランプ米大統領は11月に中央アジア首脳らと会談している。
経済面でロシアの影響力を強く受けてきた中央アジア諸国だが、最近は貿易相手国として中国がロシアを上回る存在となった。ただ、ほとんどの国でロシアは依然第2位の地位を保っている。
多角化
ロシアによる2022年のウクライナ侵攻と、それに伴う対ロシア制裁を受け、中央アジア諸国は経済・安全保障の両面で多角化を模索。日本を含む主要7カ国(G7)との関係強化に取り組んでいる。
日本と中央アジア5カ国は04年から対話の枠組みを継続しており、過去20年で外相級会合を10回開催してきた。今回の首脳会合は、この枠組みが初めて首脳級に格上げされたものだ。
首脳会合は日本と中国との間で緊張が続く中での開催ともなった。中国は、台湾有事を巡る高市首相の発言に反発し、欧州や東南アジア諸国との連携強化を模索している。一方、日本も支持の拡大に努めている。
(背景を追加して更新しました)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2025 Bloomberg L.P.